ある方から、創作詩をお送りいただきました。
一読しておわかりのように峠三吉「原爆詩集」の序がベースになっている詩です。
原爆に対する峠三吉の慟哭ともいえる怒り。その怒りと憎しみに、理不尽に市民球場が解体されることに対する自分の怒りをかさねてみたということなのでしょう。
元の詩で峠の怒りは広島に原爆を投下し、さらに朝鮮戦争でも使用しようとしたアメリカに向けられています。その相手が伏せられていることで、逆に憎しみが増幅するようです。
この詩でも怒りの「相手」は書き込まれていませんが、読む方それぞれに想像しながら読んでもらえば、この詩の味わいはひとしお濃厚なものになることでしょう。
まずは峠三吉の詩から
序
ちちをかえせ
ははをかえせ
としよりをかえせ
こどもをかえせ
わたしをかえせ わたしにつながる
にんげんをかえせ
にんげんの にんげんのよのあるかぎり
くずれぬへいわを
へいわをかえせ
かえせ!
きゅうじょうをかえせ
しみんのきゅうじょうをかえせ
としよりにかえせ
こどもにかえせ
わたしにかえせ
わたしにつながる
しみんにかえせ
ひろしまの
ひろしまのしみんのあるかぎり
くずれぬきゅうじょうをかえせ
きゅうじょうをかえせ
写真は
マリーナチャンネルより