先日、1月26日に開催された広島市「都市活力向上対策特別委員会」における旧広島市民球場跡地活用に関する議事録を公開します。
聞き取りにくいところがあるため、一部不明瞭な部分がありますが、できるかぎり発言に忠実に再現しました。
さきに話題になったドイツのレンゲリッヒ市の議論のありようを想像しながら読まれると、いまの広島市の実情が鮮明に浮かび上がってくるのではないでしょうか。
以下、議事録。
豊島委員
(途中からの録音)
建設的な議論として私たち市民としても、市議としても協議するということで、当たり前の姿勢でするということが、いまの選考(跡地)委員会のやり方のなかで担保されているかどうか、お答えいただきたい。
片平局長
跡地についての中央公園としての都市計画決定されているものがございます。それから土地の所有が国有地という制限もあります。そういった制限については第1回の委員会で各委員のみなさまがたに資料を提出して説明しております。
そのなかでも、いま豊島委員からも例で出されました、たとえばショッピングセンターというようなものについては、いまの都市公園法上の制約では適合していない施設です、ということもご説明しております。
ただそれがやるとなると、今の公園をはずす。そのときには土地を取得しないといけない。また今後の課題としてはだれがやるかという話もあります。
そのときにはアイデアの、いまから検討グループもふくめて委員会で議論していくなかで、たとえば商業施設は部分的にはあったほうがいないというような提案があろうかとおもいます。
そのときはその面積を区域からはずす、その土地については国有地ですから取得しないといけない。それはこのくらいの金になりますよ、といったような話は資料として提供して議論していただくというようなことは、ご説明しておりますし、そういう流れで委員会のなかでも、事務方、私どもはいろんな意見が出たときに、これならこうなりますよということをきちんと説明して議論していただいて共通認識を持っていただく。
そのなかでどういうアイデアが、どういう比較考慮でいいのかどうかということをですね、この委員会で整理していただく、ということではないかと私はおもっております。
豊島委員
じゃだれが取得するんですか。
片平局長
それはこの提案のなかで、委員が提案された、たとえば商業施設ということになれば、それは民間に買ってもらわなければいけないという話に最終的にはなります。市が商業施設をできるわけではございませんから。そうなるとそこはどうするんですか、という話は、やはり委員会のなかで議論していただくということになろうかとおもいます。
豊島委員
それは非常に不親切ですよ。ひとつの組織であれば、社長として、じぶんはこういったことでやろうとおもっているから、考えてくださいということに対して、集約されるんだとおもいますね。最初っからトップがなにもいわずにビジョンも示さずにですね、はい議論してくださいと、行政として。
わたしおもうのが、なにを目的にしているのかということなんですよ。
広島市の経済の活性化というものを見詰めたときに、なにに向って議論すればいいのという、その道筋も示さずに、案もなしに、選考委員会のなかでもそうだし、委員の方々もそうだし、市民のみなさんも迷うんですよ、やっぱり。
たとえばこの土地は行政が買います。買うんであればこんなことに縛りがあるよと。そのなかで最大活用するための議論をしてくださいという、たとえば。そういうことであればですね、みんな迷わないんですよ。
そこは抜きで、最終的には結果どれも採用しないこともある。最後は議会も通さなくちゃいけない。それは行政と市民のみなさんと議会が共通認識を持った上でそういった建設的な意見を議論していかなければ揉めることになりますよ、ぜったいに。
そういったことをわかっとって、そういうことを決めていくという時間がムダになりはしないかということが、広島市を本当に愛するぼくとしては、すごく不安なんです。
そこの交通整理というものを今後24年度、これからやっていかれる(聞き取り不能)ということもあるけれども、いまやっていることが本当に実を結ぶのかということをちゃんと考えたうえでやっていかないと、みなが迷う。
ここでいまぼくが、こうこうせえやということは、みなさんに考えていただければとおいますけども、そういうことにならないように、今あえていっときますよ。このままいったら、必ずもめます。
じゃ最後に市民意見から出たものを行政がつくったとして、じゃあ議会でどうなるんや、議員はどっちなんやと、そういう議論も当然出る。(市政のときから築かれた?)ものが必ず出てくるんです。
そういうことにならないように、建設的な議論を効率よく、広島市はやっぱり経済の活性化ということは本当に幸福都市を実現するために絶対的に不可欠なことなんですよ。長期的、長期的といっとるような暇はないんです。
そういったことをやるためにもですね、もっと建設的な議論をするためにも行政、もしくはトップが、こうあるべき、こうしたいということを述べないとですね、いまみたいにだらだらつづくだけの委員会なら、なるんじゃないかという懸念を申し上げて終わらせていただきます。
片平局長
ただいま豊島委員からご指摘のこと、趣旨は理解しました。市の取り組みについては私が述べたようなことで委員会を設置しております。だだ最終的に結果はうまく、市として判断したものがはたして市民合意を得られたものになるのかどうか、またはそれが実現することになるんかどうか疑問だというご指摘だとおもいます。
そのことについてはじゅうぶん頭に入れて、この委員会の運営そのものですね、まあどういった事務方できちっと資料もふくめて、どういう取り組みにするかということは配慮し、検討したいとおもいます。
豊島委員
いま行政も勇気を出すべきだとおもうんですよ。みんなにいい顔しようとしても無理なんですよ。行政判断、政治判断というのは当然にすべての満足を追求できるわけではないんです。
たとえば大阪市の橋本さんのように、ちょっとジャンルはちがいますけども、ちゃんとこうやるんだという道筋を示したなかで議論していく。そこで意見がわかれる。そこで揉ましていくということを勇気を持ってやっていただくためも、だらだら委員会を続けるんではなくて、もっとスタッフの方が本当に建設的な議論ができるように、時間のムダにならんような体制を築き上げていただけるようにおもいます。
母谷委員
ぼくはいまだにこの跡地委員会の存在意義というか、プロセスというか、そういうものがね、理解できないんです。
この委員会をですね、みなさんに議論していただくということで2、3回やっていますけれども、それで最終的に結論を出すのか出さないのかといえば、出さないと聞きましたけども、それは正しいですか、正しくないですか。
杉山課長
まあアイデアがいろいろ出ておりまして、そのアイデアをたとえばひとつに絞り込むというということが結論だとすればですね、そういった結論を出すことは考えていません。
ただ、いろんなアイデアのいいとこ悪いところは整理していきたいとおもっております。
母谷委員
結論は出さないということですね。いろんな意見が出て、そのなかで平和都市広島にふさわしいか、あるいは活性化につながるものか、あるいは将来の、市長のいっているようなことに合致するものかどうか、そういった意味での枠をつくって、議論してそれにはみでたものははずしていくと。で、たとえば50出たけども最終的には20残りましたよと、そういうものを出そうということですか、そういう委員会ですか?
杉山課長
(聞き取り不能)
母谷委員
そういう認識なんですね。それは、いずれどこかのタイミングで委員会は終わりですよというときがくるとおもいますけど、きょうもそうですけど、われわれの特別委員会にも報告しますよということになってますけども、結論を出さない検討(跡地)委員会、結論を出さない特別委員会。そこでそういう話をしてですね、市民の意見が反映されるわけでもない、議会の意志が反映されるわけでもない、なんの委員会なんですか?
杉山課長
前回の特別委員会でも申し上げたことですけども、この委員会は今までの反省にのっとって、というと言い過ぎかもしれませんけども、市民目線でいろんな議論をいただくと、ということがまず一番でございまして。で、そのうえで、そういった議論を今度は公開でやるということにしておりますので、公開でやるということで今さきほど申し上げたように、20なら20残る、まあ50になるかわかりませんけど、それぞれのアイデアの評価ですよね、いいところ悪いところがオープンになるわけですよ。
いままでは20なり50なりあったものの評価というものが表には出なかったわけです。
今後はそういった評価を表に出すことによって、閉じられた委員の方だけではなくて、幅広い市民の方々に、評価があからさまになるわけです。
そういう意味で、私どもがおもっているのは、議論を公の場でするということで、まあ最終的には市がひとつ選ぶ段階は来るとおもいますけども、ひとつ選んだときにひとつ選ぶ理由がですね、いくつか評価があるなかでこれを重視しましたという選んだ説明ができると、そういった意味で市民の合意が、理解が得られるようにしていきたいと、そういったおもいの委員会でございます。
母谷委員
わけのわからんことをいいましたね、いま。
結局、市民目線だとか公開だとか、それは単なるパフォーマンスですよ。中身がないじゃないですか、それじゃ。
以前はということをいわれましたけど、以前は300何件か市民から意見があって、企業体が20か30出して、それが最後には商工会議所かなんかが出てきて、最優秀案が選べずに優秀案がふたつというかたちにしかならなかったでしょ。
集めるだけ集めて、市民の300、400ちかい意見は、締め切った瞬間にゴミ箱ですよ。そういうやり方を当局はしといて、今度は公開ですよと。みなさんどう考えてるかわかるじゃないですか、いうようなのはね、ちょっとおかしくありませんか。しかも結論出さないというんですよ。
その議論が、そういう議論が反映しないわけでしょ、市民のみなさんも議会に報告しても、その意見が反映されないということになったらですね、それは以前の市長さんのときからのやり方ですよ、手法。
申しわけないですけどね、これまでも批判をしてきましたから、その姿勢はら変わらないからいいますけどね、そういうやり方は不毛の議論なんですよ。そういうやり方をみなさん身につけてしまったんですよ。
さっき豊島議員がいったでしょ、そういう考え方のほうがわかりやすいです。いま市民のみなさんが結論を一応出した。あるいはこういうふうに出した。それがあればいいんですが、それがないんですから。
最終的には市長がどう判断するかしかないでしょ、この問題は。そうおもいませんか。
片平局長
ご指摘の、最終的には市長が判断します。市として判断するということなんですが、委員会でこれを今後も議論します。で24年度末に活用方策を策定、これは市が決断するわけなんですけど、それはそれまでに委員会でいろいろ議論したアイデア以外に別個のものをパンと市長が判断してこれにしますということは考えておりません。
基本的にその委員会での議論、それを前提として、どのアイデアがいいのか、それが比較考慮されて、さきほど課長が説明しました、いろんな評価軸で評価されたものが、いろいろなアイデアについて長期的な視点ではどのぶんがいいのか悪いのか、にぎわいは誰に対するにぎわいがあるのがこのアイデア、これはこういうひとに対するアイデアという、また実現可能性を含めてとか、それから都市全体のバランスを考えて、ここの跡地に適するのはどのアイデアなのか、ということが今から議論を深めていかれます。そのなかで、市として最終的にどの案を選ぶかということにはなるんで、それは全部終わって全部なくして、最後に市長が別な案を出しますということはいっさい考えておりません。
議論していただいた結果を踏まえたうえで市長としてこの案というときに、今までの議論のプロセスがありますから、こういう視点を重視してこのアイデアにしたんだな、たしかにこのアイデアがいいんだなということが市民の共通認識ができているんじゃないかというふうに考えてこの進め方を採っているということでございます。
母谷委員
念をおして聞きますけど、いまこういう案が出てきましたよね。それが最終的にですよね、このなかから市長が参考にして選ぶということになるんですか。それでいいんですね。
それならですね、結論を出さないというような誤解をせずに、曲解もせずに、みなさんに議論していただいたなかから、それを参考にして単発案になるか複数案になるかはわかりませんが、そのなかから最終決断は私がしますよと、市長が、そう考えるかたちになることでいいんですか。
片平局長
はい。そのために、これまでのアイデアもふくめてですね、委員会の方に資料も提供して議論を深めていただく。そのための時間が、まあ、はじまったばっかりですけども、まああと1年ちょっとということでございます。
母谷委員
ぼくも誤解していたのかもしれませんけども、多くのみなさんも誤解していたかもわからないけど、結論を出さないということが、インパクトが強すぎましたよ。
そりゃ誤解しますね完全に。なんのためにしよるんかと。
いまいったようなことになるんだとおもったかもわからんけど、結論を出さないものは提言もできないんじゃないかということになるんですよ。
それだったら、結論は出さないんだという言い方をするよりも、みなさんで議論してくださいと、1個の最終案にはしませんが、この案は市長が最終的に参考にしてそのなかから考えて決めますよと、いったら丁寧でわかりやすかったとおもいますよ。
そういうことなんだったら、なんでそういわなかったんですか。ごたごたしてますよ。
豊島議員なんかもそういうことで質問やら意見をいったんだとおもいますけども、いわないひともふくめて、なんかモヤモヤしてるのはあるとおもいますよ。そういうとこをはっきりいってください。それでいいんですね。
片平局長
母谷議員のいわれたとおりで、今結論を出さないというのは、この委員会で議論した結果ひとつの案にしぼるという役割はこの委員会は持っていませんという説明だけしかしてないところは、そりゃ誤解をされるような話だったかとおもいますが、それは反省します。
いまいわれましたように、いろんなアイデアについて議論して、そのなかから市として最終的に活用方策を作成するという理解でございます。
母谷委員
それは言葉たらずというんですよね。最初の段階でですよ、そういっていただいとったら、過去の特別委員会もですね、こんな調子で、すくなくてもぼくは聞いてないんですよ。
そうだということになったら、わかったらですね、ちょっと気持ちは変わりましたよ、考え方も変わってきますけども。そしたらすこし議論できる部分はできるかもわからんけども、結論は出せないわけですから、こちらの特別委員会はですね。そういうことはあるけども、そこはすこしすっきりしましたよ。検討委員会の存在意義や、なにをやっているのかということやね。
ただのガス抜きにしかなってないと、前も言ったかもわからんけど、そういう印象は否めなかったとおもうんですよ。そういう気持ちでいたわけですから、これまで。
それじゃ、それを市長が最終的に政治判断、政治決断をして、じぶんはこうしたいというのが、委員会が終わって菓子博も終わって、いずれかの段階で市長みずからの言葉で、それをいうことはあるんですね、市長がじぶんのことばで、どうするかということを。
片平局長
いまの予定では24年度末には市としての活用策を策定するという、まあこれは市長判断になろうかとおもいます。ただあの、もちろんそのときにはどういう形で公表するかとか、どういう判断したいうことも説明責任として説明しなきゃいけないということになります。
ただそのとき市長の言葉でというのが、ちょっとそういう、まあ方法はいろいろあるかとおもいますが、まあ最終的に市長が判断したということでご説明することになろうとおもっております。
母谷委員
じぶんの口で、そりゃだれが原稿を書くかわからんけど、ね、私はこうするよと、というのが出るんですね、いわれるんですねということを聞いたんですよ。
それをしないとだめじゃないですか、最終的な結論にならないわけですから。そういう意味で、市長がじぶんのビジョンを、考え方を政治判断を、政治決断をしてこうしますと、いうんですねということです。
片平局長
そのようになるとおもっております、はい。